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[行動経済学×キャリア]現状を変えられないのはなぜか。

「今の仕事に違和感を持ちつつも現状を変えることが難しいのはなぜか。」

今回は行動経済学×キャリアをテーマに考えてみたいと思う。 嫌なら変えたらいいじゃんとアドバイスしてしまいがちだけど、相手にこんな心理があることを踏まえて話せたら投げる言葉も変わってくるのではと感じる。 一歩踏み出してみようと言葉で聞いたり発言を実際にしてみてもそれも動けないのは現状を変えたくないとお壊せる心理が働いているのかもしれない。 [本]人は勘定より感情で決める 〜直感のワナを味方に変える行動経済学7つのフレームワーク(柏木吉基著)の一部の章をご紹介し、キャリアの観点で考えた記事となります。

今回取り上げる概念は以下の3点。

  • サンクコスト(埋没コスト)
  • 現状維持バイヤス
  • スイッチコスト

1. サンクコスト(埋没コスト):過去に費やしたお金や時間など回収できないコスト

「今まで頑張ってきたのだから」「お金をたくさんかけてきたし」と過去に費やしたお金や時間に対して思ったことはないだろうか。

人には 「過去に費やした時間やお金といったコストを無駄にしたくない」 という感情が芽生えやすい。今までやってきた過去の積み上げである「現状」をなんとか維持したいと思いがちで、そのまま継続して行ってしまいやすい。このように将来の判断に影響されることをサイクコストのバイアスという。

キャリアで考えると国家資格とるために頑張ってきたけど実はその仕事嫌いだけど今まで頑張ってきたから無駄にしたくないという気持ちが強くて方向転換できないといった自分に対してだったり、 子供に対して親がつぎ込んだお金(と熱意)そして自分自身がそれに乗せられてつぎ込んだエネルギーと時間が膨大なサイクコストとなって、それ以外の人生を歩むことを頑固に拒んでしまう。一般的に成功であっても本人が幸せとは限らない状況が生まれたりする。 変えたいのに変えられない要因としてこういった気持ちが起きている可能性がある。

2.変わることが怖い、現状維持バイヤス

  • 非合理的にも関わらず現状を維持する選択をすること
  • 人は先が見えずに何かを失う可能性がある不確実な選択をするよりも現状維持したい意欲が高まる
  • 得るものは不確実ではあっても、失うものが事前に明確なときには、マイナスの感情がはっきり実感されることによってこの意識はさらに高くなる。
  • 現状を変えることにより得られるかもしれない利益に気づいていても、失うもののほうが大きいと感じていれば、「現状維持」思考から抜け出すことはできない

もしかしたら失うかもしれないというリスクのほうがひとは気になりやすく、もしかしたら得られるかもしれない可能性のほうを軽視しすぎてしまいます。転職して今より満足できる環境がえられるかもしれないのに、いった先でいまよりうまくいかなかったらどうしよう。だったら今のままのほうがいいと考えがちなのです。

3.スイッチングコスト

  • ブランドを替えることにより発生するコスト
  • 自動車や携帯電話などの耐久消費財は一度購入されると比較的長い期間所有される
  • 変更するまでに発生する手間などのコスト
  • なれるまでに使い勝手やひこうりつなそうさを経験しなければならないし、場合によっては満足しないかもしれない。 これらによって
  • 正しい価値を評価できない
  • 重要な別の機会をみすみす失ってしまう

例えば今の会社から転職するとか、起業するといった環境変化は移るための努力、準備もそれなりにコストがかかるし、うつってから慣れるまでにも時間はかかる。 そういうのを考えると行動することに億劫になってしまう。。。

あなたはいま現状を変えられない要因はサイクコストですか?現状維持バイヤスですか?それともスイッチングコストですか?

今回の理論が紹介されている本はこちら。各概念の説明はこちらの本を参考に記載させていただいております。参考文献となります。 本:

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